第67回埼玉県高校演劇中央発表会の③( 坂戸、秩父農工科学 )

えーと、第67回埼玉県高校演劇中央発表会の続きです。
11月18日(日)
10:00 開場
10:30 坂戸高校「うさみくんのおねえちゃん」作:中原久典/潤色:県坂演劇部(既成)

二日目です。
いやいや、これは良かった。とても良かった。凄く良かった。
緞帳が下りてずっと拍手していたかった。
観終ってからも、関東大会に向けてここを直した方がいいとか、あそこを直した方がいいとか、勝手にいろいろ思っていたんですが、残念な結果になりました。
とても楽しめたし、役者さんも良かったし、よく出来ていたと思います。
細かい点で気になったのは2つ。
教室の窓や、ドアが開いていて、その先が120%真っ暗だということ。
あの漆黒がすごい目に入ってきまして、ずーっとずーっと気になってました。
講評で指摘されてたりしたら、私も中々だなと思えるんですが。。。
あと、後半のほうで、お姉ちゃんの友達がそれぞれの部活に去っていく時に、バイバイって言ったのですが、あそこが唯一学芸会的に感じました。
そして、細かくないネガティブポイントなのですが、これはご本人たちも葛藤があったのではないかと思いますが、溝呂木君の描き方です。
元の脚本がそうなのかもしれませんが、やはり、あれは差別的だし、あれを見たら、他がどんなに良くても、清らかな気持ちになれないという人が多いのではないかと。
もう少し工夫の余地があったのではないかと思ってしまいます。
しかし、私には、引き算しても、余りある素晴らしい舞台でした。
なんで坂戸が選ばれなかったのか、講評を聞きたかったのですが、いつ終わるか分からん雰囲気だったので、芸術劇場を後にしました。
11:50 秩父農工科学高校「ゼロデプス」作:コイケユタカ(顧問創作)
坂戸を観た時点で、私の中で暫定1位は坂戸になりました。
あとは、新座柳瀬と浦和南。
そして、秩父農工科学は当然有力候補。
いやいや、残念な結果になりましたが、私的には3位でした。
しかし、振り返ってみると、昨年に較べて、鬼気迫る圧倒的な迫力には欠けましたし、奥行きも深くなかったかなと。
お話もシンプルで、この手の話だと、割と大枠は決まってしまうというか、奥行きを作りにくいようにも思いますし。
でも、VRの中の友達には、自分の深層心理が作用するみたいなところがありましたが、あの辺をもっと深めていけたら良かったのではないかと勝手に思ったりしております。
今回はハッピーエンドかと期待したんですが、そうではなくて、でも、この手のお話のお約束のラストでありました。
ここは、期待値が高いので辛口になってしまいます。
新座柳瀬もそうですが、レベルの高いところは、出場している他校との比較というより、前年、前々年との比較になってしまいます。
で、私の3位が新座柳瀬ではなく、秩父農工科学なのかはなんでかと言いますと、秩父農工科学は去年とは全然違う。
一方、新座柳瀬は、限りなく一昨年に近い。ということであります。
最後に、舞台装置についても触れておきますが、昨年も凄かったけど、今回はもっと凄い。
それぞれの塔の中に入ったり出たりするのも凄いけど、塔に光線が当たるのは、あれってプロジェクションマッピングですよね?
とうとうここまで来たのか。
これは来年、再来年と、椅子ひとつ。みたいにガラっとシンプルなものに変えれば別ですが、突き詰めていくとしたら、相当高いハードルになっているかと。
次はドローン飛ばすとかしないと、観客はもはや感動しないのではないか。
しかし、引っかかるのは、「これが誰の手によるものか?」と、「いくら掛かっているのか?」
確かに凄いのですが、極端なはなし、大金はたいて業者に頼めば簡単な訳ですし、それは無いにしてもあまりに演劇部から遠いところの支援だと、どうなのかなと。
これが、秩父農工科学高校の『物理部・映画部全面協力!』とかだと、それはもう、素敵過ぎるのですが、実際どおなんでしょうか。
そのあたりも、パンフレットに書いていただけたらいいですね。
という事で、明日( たぶん )に続きます。

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