令和4年度 東京藝術大学 卒業・修了作品展に行って来た

博物館と美術館

全然ノーマークだったのですが、1/30にTwitterのタイムラインに「やってます」ツイートが流れて来ました。

「ほほぅ、こういうものがあったのか。」

そういえば、卒展はムサビにしか行ったことがありません。五美大展には行ったことありますが、藝大は去年の秋に博士審査展を観ただけで学部生のアウトプットは観たことがありませんでした。

「これは行かねば」

翌朝、とりあえずオンラインチケット(無料だけど要予約)を調べたらすでに完売。
当日券でも全員入れるらしいとの情報はあったのですが、辺境の最果ての僻地から行きますから、もし入れなかったら切ない。

ところが、コーヒーを飲んでいるうちに空きが出ました。
運良く、11時の東京都美術館と、13時の藝大キャンパスをゲット。
この2ヶ所が会場になっているのです。

それで、まずは東京都立美術館に行ったのですが、なんかいきなり凄い。
初めに日本画のコーナーあったのですが、レベル高い感マックス!

まるっとひと部屋をそのまま郷さくら美術館とかに持って行っても遜色ゼロ。

どれも凄かったけど、とりわけ「おおっ」ってなったのがこの作品。

これ凄かった。

jpegファイルや液晶ディスプレイでは表現しきれない1兆億万種類の藤色のグラデーション。

東山魁夷が書いたと言われても100%信じてしまうレベル。

その後も、凄いのが続きます。

なんか、ムサビの卒展とか、五美大展とは異なる迫力があります。

ファインアートもそうですが、デザイン系も凄い。

東京都美術館という空間がそう感じさせる面もあるのか?

なんか客層も、漫画に出て来そうなベレー帽に白髪・髪長めで小さなショルダーバッグを肩に掛けた爺さんとかがいて、作者の方に話しかけたりしています。

いやいや、ここはみんなが目指すだけのことはあると感心しきりです。

1時間半あまりで回って次は第2会場の藝大キャンパスへ。

まずはキャンパス内の美術館へ入りますが、ここもレベル高っ。

なんというか、ムサビの優秀賞取るような人が、藝大には普通にいる感。

悩んで迷った末に不本意なアウトプットになった感の作品とか、情熱を失ってしまった感のある作品がない。

そういう事もあり、全般に大人感が漂います。

そして、作品にお金を掛けている感も凄い。(本人の持ち出しなのか、スポンサーが居るのかは分からないけど。)

外部に働きかけて協力を得て完成させているようなのもあり、ますます漂う大人感。

とにかくいろいろ衝撃的でありました。

ムサビの卒展に行くと、「ここで4年過ごすの楽しそうだな。」と思うのですが、藝大にはそう感じさせる雰囲気はありません。

わが身の才能や覚悟を、周りと比べてあっという間に打ちのめされてしまいそうです。

だいたい、窓からスカイツリーが近くに見えるし、それ以上に、直ぐそばにはトーハクの屋根が見えたりしますし。田舎者は圧倒されるでしょう。

それでも、キャンパス内の美術館を出て、各校舎の展示を回ると、学生さん的な迷える作品も目にするようになり、ちょっとホッとしたりもするのでありました。

なんだかんだ3時間余り掛けてキャンパスをまわり、帰りがけにもう一度、東京都美術館を復習して、クタクタになって家路についたのでありました。

という事で、いろいろ凄かったのですが、ひとつ気になったのが、作品はどれも立派なのに、作品を載せている台が、しょぼいのが多かった。そういう事には無頓着なのか?

それからもう一つ、音の出る映像作品をカーテン1枚で仕切った区画で、並んで上映しているというのもいかがなものか。隣の音が丸聞こえだった。

そして、純粋に作品を観に行くなら、藝大の卒展は素晴らしいけど、「美大の卒展を楽しむ」という目的であれば、ムサビの方が良いかなと思ったりもしたのでありました。

それにしても、みなさん凄かった。
一般の、偏差値の高くない大学の文系の学部で、就職決まったからもういいやって、ウィキペディアをコピペして2日で仕上げた様なレベル感の卒論を出した数十年前のわが身を思い起こして、三井寿のようなセリフをつぶやいたのでありました。

では、撮った写真を並べます。

そして、なにげにこれ好き。この写真からはなにか全く分かりませんが、女の子がショッピングカートみたいなのを押してガラクタを集めて回り、カートがどんどん変化していくドキュメンタリー動画とそのカート。ガラクタを人からもらうところがオシャレ。素晴らしい。

学食。四万十栗豚のルーロー飯(大盛) 580円。
なんかメニューがおしゃれ

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