「助教・助手展2021」・「牧野良三 舞台美術における伝達と表現」・民俗資料室  @武蔵野美術大学

博物館と美術館

また、ムサビに行って来ました。

人生通算5回目のムサビです。

もしかしたら、自分の卒業した大学に次いで訪問回数第2位かもしれません。

それで、今回のお目当ては、「助教・助手展2021」

加えて、
「牧野良三 舞台美術における伝達と表現」
更に、
「民俗資料室ギャラリー展示 29 運ぶ 文化とかたち」

おまけに民俗資料室の収蔵庫も拝見させていただきました。

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鷹の台駅を降りると、いつものように玉川上水沿いの小径を歩きます。

イヤホンをして、スマホにはユーミンをセット。

どう考えても『悲しいほどお天気』の歌詞に出て来る「上水沿いの小径[E:#x266A]」はここしかあり得ないという小径を歩きます。

ユーミンは多摩美なのになんでだろうと毎回思う。

それで、過去の4回はコロナの影響で入館には事前予約が必要で、一般/学内で入館可能日の区別もあったのですが、コロナも落ち着いて今回は予約不要で一般/学内の区別もなし。

初めて平日のキャンパスに入ります。

やはり、大学ですから平日に行くとちょっと期待が高まります。

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「助教・助手展2021 武蔵野美術大学 助教・助手研究発表」

最初に入ったのはこれです。

なかなか良かった。

前回観た「卒業制作優秀作品展」と比べるとやはりレベルの平均値が違います。

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そして、なんというか、学生でもなく、かといって高みに上った人でもない独特の雰囲気がそこにはありました。

「美大の助教・助手というのはいったいどういう立ち位置の人なんだろう」という事にずっと思いを馳せながら作品を見ておりました。

・大学院を出て成績優秀な一握りの人が掴んだ将来を約束されたエリートなのか?
・あるいは、教授や准教授に辿り着くのは一握りで競争のさなかの人たちなのか?
・研究や教育には興味はないけど、作家では食べていけないから就職した天才なのか?
・美術芸術部門の学科であれば、そうそう食べていけないだろうから助手は同期のうらやむ職なのか?
・工芸デザイン部門なら、産業の中でアウトプットして行かずに大学に残るというのはどういう選択なのだろう?

などなど、ぐるぐる想像を巡らせておりました。

それで、前回の『卒業修了制作優秀作品展』とついつい比べてしまうのですが、『展覧会』としては『卒業修了制作優秀作品展』の方が良かったかなと思います。

なんというか、『卒業修了制作優秀作品展』は、この作品をアウトプットした人は、大学に残るのか? メーカーでデザインの仕事に就くのか? 或いはデザイン事務所に就職するのか? それとも高校の美術の先生になるのか?

『優秀作品』というフィルターに残った人であったとしても、恐らく自分の才能に見切りを付けて、あるいは就活で願いかなわず、全く関係のない業種職種の会社に就職して、趣味としてやって行く人もいるだろうな。

そういう、少し切ない思いとか、その一方でこの中に世界的に有名になる人がいるのだろうか的なワクワク感とか、そういうのがまざりあって、じゅわーっと見て回ったのですが、そういうのが「助教・助手展」にはあまりないわけです。

我ながら何に期待しているんだろう?

まあ、私自身が「美大の助教・助手」の立ち位置を想像しきれなかったからなのかも知れません。

実際のところどうなんでしょう?

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さて、最後に少しだけ、展示作品についても触れておきたいと思います。

作品はどれも素敵で印象的なものでした。

特に印象に残ったのは、

・波、泡沫、そして…  (↓の右のやつ)

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・断片的な記憶の景色

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・so fine

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中でも、「波、泡沫、そして…」は釘付けになりました。

『卒業修了制作優秀作品展』にしても今回の『助教・助手展』にしても、作家や作品のテーマ縛りの展覧会と違って、作家の属性縛りで、芸術から工芸やデザイン、空間演出、映像まで幅広く展示されるのっていいですね。

すっかりはまってしまいました。

↓:こんな感じで幅広い

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「牧野良三 舞台美術における伝達と表現」

同時開催だったのがこちらです。

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中々素敵で、普段高校演劇で観ているものとは別格です。

高校演劇を観に行って、素敵な舞台装置だった時に、単に「いいなー」と思っていただけだったので、ハイレベルかつ、完成までのプロセスが感じられて良かったです。

実は、高校演劇を観るときに、顧問の先生の関与度の高さを強く感じる舞台は、なんとなく好きではありませんでした。

トータル的なところもそうですが、舞台装置的なところにもそういう気持ちがあったのですが、今回の展示を観て、レベルの高い舞台美術を部員の生徒に見せるという事は、大事な事なんだなあと、思いを新たにしました。

コロナが鎮まって、また高校演劇を観に行ける様になったら、舞台美術についてもよく鑑賞したいと思います。

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「民俗資料室ギャラリー展示 29 運ぶ 文化とかたち」

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おまけに民俗資料室の収蔵庫も拝見させていただきました。

ここも良かったのですが、「民俗資料室の収蔵庫」の見学が更に良かった。

収蔵庫内には授業で学生さんがいたりして、なんか、じゅわっと来ます。

三十数年前の学芸員の実習を思い出しましたー。

■武蔵野美術大学について

さて、今回は初の平日のキャンパスでした。

これまでは日曜か、平日だったとしても夏休み期間だったので、普通の平日の美大のキャンパスに大いに関心があったのですが、結構閑散としていました。

少しだけ学生さんと話す機会があったので、まだオンラインなのかと聞いてみましたら、もうそういうことはなくて学生は普通に来ているけど、単に寒いから外に出ていないと思いますとの事でした。

やっぱりインドア人間たちなのか??

音楽サークルが練習してたりするのだろうかとか思ったりしていたのですが、やはり美大。

エレキギターの音が聞えてきたりはしませんでした。

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ここのキャンパス、せっかく郊外の大学なのだから、もう少し広くてもいいかなと思いますが、もはや今更仕方ないですね。

たっぷり2時間半楽しめて、しかも無料。

凄く良かったです。

[E:#x27A1] https://mauml.musabi.ac.jp/

写真はほぼ全域で撮影可だったのですが、SNSに上げまくるのも少し気になったので、アップの写真は外しました。

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