三つ岩 攻略戦

2025.06.19(Thu)
調布橋:-2.83 → -2.84

www.kaifugun-yamakawacho.net/

2025 7th 多摩川 御岳・杣の小橋 → 釜の淵・柳淵橋(11.0km)
晴(青梅 max 35.1℃) 水位:調布橋:-2.83 → -2.84

※調布橋水位は、2019年の台風19号の影響で、以前より40~50cm低い値を示します。


三つ岩 攻略戦


火曜日に秩父・長瀞を下ったばかりなんですが、

木曜日もちょっといい予報が出ていますからね。行っとかないと。

週末は多摩川の鮎の解禁です。そうすると暫く多摩川は漕げません。

それに一応は梅雨ですから、多摩川以外にしてもこの先漕げるか怪しいし、やはり行っとくべきでしょう。

そして、実はもう一つ、行くべき理由がありました。

今年の目標である「三つ岩の1つめのエディキャッチ」、この日はそれを達成するこの夏最後のチャンスかもしれないのです。

このところの水位は調布橋-2.8前後。鮎が解禁になって、ひと段落着く頃には水位も上がります。

7月に入ると水位は-2.7台~-2.6台が標準になるでしょう。

そうなると、現代の技術ではちょっと難しい。

まさに今がチャンスなのです。




三つ岩 攻略戦

7時頃に家を出て7:47に釜の淵公園大柳駐車場着。

これなら8:37の電車もラク勝です。

時間に余裕があるから今日も歩こうかなと思ったんですが、バス通りに出る階段の前で挫折。2日前の秩父・長瀞の疲労が残っているのか・・・?

遅れて来た大柳8:03のバスに乗って青梅駅へ。あぁバス最高。科学技術の大勝利。

電車は割と空いていました。詰めれば全員座れるくらい。インバウンドの方多め。

御嶽駅着は8:57。

まずは御岳橋の上から三つ岩をスカウティングです。

三つ岩

うーん。なんか行ける気がする。

左ルートで入って、岩を通り過ぎる直前くらいで、とにかく思いっきりぐいぐいーっと力強い左のスウィープを入れる。とイメトレ。

水量も見た感じ少なそう。実はスマホを家に忘れてしまい、直前での水位確認は不可。後で確認したら9:00の調布橋は-2.83でした。

普段なら、-2.8台は詰らないと思うのですが、この日ばかりは違います。

杣の小橋・放水口

スタートは9:42。水温は15.5℃。

杣の小橋の両岸にはラフトが数艇。ネパール人らしきお兄ちゃんに「今日はお客さん一杯ですか?」と訊くと、いっぱいとの事。平日なのに。いよいよ夏が来たのだ。

まずは華麗に消防の瀬をクリアして艇は三つ岩へ。

「思いっきり左スウィープ」「思いっきり左スウィープ」「思いっきり左スウィープ」

念仏のように唱えつつ、左岸ルートへ進入。

三つ岩

一つ目の岩を過ぎようとしたコンマ数秒前にグイーっと左スウィープ。

したつもりでしたが、後でビデオをを確認するとそうでもない。しかも岩に近すぎて右が漕げてません。

とは言え、9時47分、三つ岩1個目ゲット!

パドルを握って24年、四半世紀に渡るたゆみない、そしてひたむきな努力がついに結実した瞬間でした。

なんかスペースシャトルコロンビアが初めて宇宙に行った時の感動を思い出しましたよ。

じゅわじゅわっと静かにガッツポーズ。

三つ岩(1つめ)

三つ岩(2つめへ)

三つ岩(2つめ)

ラフトはまだお客が来てなかったし、他に艇はいなかったけど、1つ目と2つ目の間は通り道なので、写真を撮って、速やかに離脱。

続いて2つ目のエディもそつなくゲット。なんかセカンド土井の華麗なダブルプレーを見る様です。

3月の『一人焼肉』に続いて早くも今年の目標の2つ目をクリア。

いやもう、すっかり気をよくして三つ岩を後にしたのでありました。

今後の目標としては、右ルートからのキャッチ。そして左右共に再現性の確立。




清く正しい多摩川

楓橋の下流

ミソギの下流

大きな目標を達成したので、すっかり気をよくして下って行きます。

気温ヨシ、天気ヨシ、パーフェクトなダウンリバー。

水位が低くて水量が乏しいのが玉に瑕ですが、補って余りあるご褒美を頂きましたので問題なし。

あちこちいい感じの景色を堪能しつつ漕いでいきます。

喜久松苑の川原に川鵜対策のロープ

10:21 喜久松苑の川原通過。ここまで39分。

川原には誰もいません。と思ったらその先の中州に釣り師さんが1名。

喜久松苑の川原

川には、カワウ対策のロープが2本渡してありました。

この日は余裕でくぐれる高さ。

水位が高くなったらどうなるかというのもありますけど、破損等によって垂れることもあるでしょうからご注意を。

喜久松苑の川原(川鵜対策のロープ)

喜久松苑の川原(川鵜対策のロープ)

喜久松苑の川原(川鵜対策のロープ)

三本堤の1本目

続いて三本堤へ。

さすがに水位が低いから正面突破は無理かなと、中途半端に左岸寄りに避けまししたが、それはそれでやや微妙に複雑な波でした。

三本堤の1本目

三本堤の1本目

テニスコート

テニスコート

10:33 テニスコート通過。

こちらには遊んでる人が数名。ここまで51分。

ここを過ぎるとひと気の少ない領域に入ります。

おくたま路のヘアピンカーブ

好文橋

好文橋

10:41 好文橋。

少しだけ好文橋の手前に上陸。葦が版図を拡げてまくっています。

上から見ると水は澄んでいますが、ゴーグルをつけて水中を除いてみると視界はあまりありません。

好文橋(工事中)

好文橋(下流から)

神代橋(下流から)

11:15。ランチは前回同様、和田橋下流の右岸。ここまで1時間半余り。およそ8km。

ちょっと石ころのサイズが大きくて、寝転がった時の微調整が手間なのですが、ここ割と気に入っています。

バーナーでお湯を沸かして、コーヒーを淹れて、おにぎりを頂きます。

川原で寝転がったり、時折川に入って体を冷やしたり。

この川に浸かるのが気持ちいいんですよね。

聴こえてくるのは、鳥の声と、瀬の音と、風が揺らす枝葉の音。それと時折り都議選の選挙カーの声。

最高レベルでいい感じに時間が過ぎていきます。

長瀞と違って、ザッブンザッブンはありませんが、その代わりに何とも言えない世界がここにはあります。

和田橋下流でランチ

和田橋下流でランチ

御岳にはラフトが何艇かいたけど、ここを通る艇はなし。

12:47、1時間半ほど寛いだ後、午後の部スタート。残り3キロ程。

日向和田第2中継ポンプ場の先(下流方向)

日向和田第2中継ポンプ場の先(上流方向)

13:17、釜の淵ゴール。

ここまで11km、3時間35分。休憩を除くと1時間55分の最高のダウンリバーとなりました。

やはり、低水位だと時間が多めに掛りますね。


釜の淵の川原には大勢の外国の方。

駐車場に上がってみると、10台ほどの車。私の車以外は全て『多摩』の『Y』ナンバーか『A』ナンバー。

みんな横田の方たちなんですね。

駐車場を出るときに数えたら、Yが9台、Aが2台、ひらがなの車は1台もなし。でした。

みなさん楽しそうにしているのに数日後には戦争になるとは。。。




定点観測と注意箇所

調布橋水位:-2.83 → -2.84。

三本堤の先の右岸擁壁

ボーっとしてなければ、ぶつかることはないとは思いますが、ちょっとぶつかりたくない感じになっています。

三本堤の先の右岸の擁壁

三本堤の先の右岸の擁壁


神代橋下流の下流の障害物

神代橋下流の障害物

神代橋下流の障害物

神代橋下流の障害物





釣師の状況

釣師は6人。

解禁前だから0かと思っていたので意外でした。

しかも、場所も割と散らばっている感じ。

畏れ多くもお一人に声を掛けたら、ターゲットはニジマスとの事でした。




漕いでる途中と漕いだその後


スマホの重要性

今回、スマホを忘れました。日常でも滅多に忘れないし、水没させたことはありますけど、川に行くのに忘れたのは初めてかも。川下りでしかもソロでスマホを忘れるというのは結構リスキーだなと思いました。

青梅と言えども御岳近辺と違ってあまり人はいません。怪我をして動けなくなっていても救援が呼べないというのは不味いです。

或いは、川原に倒れている人とか、溺れている人がいても、やはり救援が呼べません。

まあ今回は勝手知ったる川で人里も近いからいいけど、初めての川でしかも大河系だったら、現在位置の特定とかも難しい。

昔は5万分の1の地理院の地形図とか、自作の地図をマップケースに入れて携行していたけど、今はもうすっかりスマホに依存です。

そういえば、地理院の地図は高圧線とかが載っていたから、景色が単調なところでは役に立ちました。

電車やバスの時刻も頭に入っていたからいいけど、検索できないと困ります。タクシーも呼べないし。


そして何より今回は、人類的快挙を成し遂げたのに呟けなかったのが痛かった。

『三つ岩一個目なう』とか。

妄想NHKスペシャル

心地よい水に触れ、素晴らしい景色に癒され下っていると、妄想が浮かんできました。

多摩川の御岳~釜の淵の間って、銚子川じゃないけど『NHKスペシャル』で十分番組作れるのではなかろうか。

やっぱり音楽は菅野祐悟さんでナレーションは吉岡里帆さん(銚子川と同じ)。

日本人もいれば外国人もいて、行楽客がいる一方で川ガキもいる。

水中映像こそ撮れませんが、他は申し分ない。

どんどん妄想が膨らんできて、企画書がほぼ出来上がるかに見えたのですが、待てよ、それを放送してしまったが最後、大勢のお客が押し寄せて大変なことになってしまいそう。

目の前の川にはひっきりなしにカヌーが通り、次々と上陸してくるし、今こうして寝転がっている川原にも、キッチンカヌーとかがやって来て錨を下ろして、通りがかるパドラーに飴湯やかき氷、焼トウモロコシなんかを売るようになるかもしれない。

陸から来れず、自分(達)以外に誰もいないところでまったりするのがいいのに。

やっぱり駄目だ。ということで妄想世界から現実に引き戻されたのでありました。


無事に帰って、一杯やるまでがダウンリバー

毎回同じ内容で、無駄に長いレポートもあと少しです。

帰り道に「やまや」に寄ってハートランドビールなどを購入します。

何しろ三つ岩の1つ目クリアですからね、自分にご褒美が必要です。お祝いしないと。

家に帰って、ウェアを洗って干して、シャワーを浴びて、肴を用意して、蚊遣り豚に点火。

ビールの栓を抜いてグラスに注ぎます。

あぁ、37兆個の乾いた細胞の一つ一つに浸透して、ミトコンドリアに絡みついた邪な情念が分解・浄化されていく。

川とはまた違った、最高のひと時を過ごしたのでありました。




Data


河川 :多摩川
コース:御岳・杣の小橋 → 釜の淵・柳淵橋 ( 11km )
用艇:NRS Bandit1
メンバー:ソロ
天気:晴れ。
釣師:6人
水位:低め
 水分水質データベースによると調布橋水位は、-2.83 → -2.84。
 ※調布橋水位は、2019年の台風19号以降、以前よりも水位が低めに出ています。
 40~50cmくらいプラスしてお考え下さい。

水質:やや綺麗
水温:15.5℃( 9:32杣の小橋手前左岸)、18℃( 12:43和田橋下流右岸 )
気温(青梅):気象庁によると青梅の最高気温:35.1℃。

スタート地点駐車場:-
ゴ ー ル地点駐車場:釜の淵公園大柳駐車場(700円)
タクシー:-
電車:青梅(8:37)→御嶽(178円)
バス:大柳→お請け駅(178円)

昼食:おにぎりとコーヒー。
服装:上:化繊のTシャツ2枚、下:化繊の短パン。(パドジャケ携行)

旅程。2025.06.19
7時頃 出発
7:47 釜の淵公園大柳駐車場着
8:02 駐車場発
(バス)
8:15 青梅駅ホーム着
8:37 青梅駅発
8:57 御嶽駅着
9:17 スタート地点着
  9:42 (0:00 - 0.0Km) スタート(杣の小橋)
  -:-- (-:-- - 0.5Km) 御岳橋
  -:-- (-:-- - 0.6Km) 御岳小橋
  9:54 (0:12 - 1.4Km) 鵜の瀬橋
 10:00 (0:18 - 1.9Km) 楓橋
 10:14 (0:32 - 3.1Km) 軍畑大橋
 10:21 (0:39 - 3.8km) 喜久松苑
 10:27 (0:45 - 4.5Km) 奥多摩橋
 10:33 (0:51 - 4.9km) テニスコート
 10:41 (0:59 - 5.7Km) 好文橋 (~10:49)
 11:01 (1:19 - 6.9Km) 神代橋
 11:13 (1:31 - 7.9Km) 和田橋
 ランチ 神代橋手前右岸( 11:15 - 12:47 [92分] )
 13:09 (3:27 -10.2Km) 万年橋
 13:17 (3:35 -11.0Km) 柳淵橋・ゴール
13:49 釜の淵公園大柳駐車場出発

※距離はキョリ測にて測定しました。時間は写真のタイムスタンプなどから適当に調整。
★2020年度より、距離を修正しました。



(2025.06.24 up)

修正履歴:
 

・IPアドレスの一部を表示します。

やまかわさん

三つ岩攻略おめでとうございます。
ソロで1-2間でフリップして流されて以来、根性なしで大岩までスルーしてしまうチキンな私には、まだ遠い目標です。

川の魅力をアピールする取り組みはいいなと思うのですが、ひとけのない楽園を愛する者にはジレンマも生みますね。
発売したてのカヌーワールドで千曲川の記事があったのですが、私が愛した秘境野営地がカヌーポートとして整備されたことで消滅してしまっていることを知りました。川を整備する試みはいいことなのだと思いはするのですけれど…

REIさん

ありがとうございます。悲願達成ですが、技術やメンタリティというよりほぼすべて水位(-2.83)のおかげです。今まで水位が低いとテンション低めだったのですが、別の楽しみを見つけました。-2.8切ったらねらい目です。

それから、下らない妄想にお付き合い下さりありがとうございます。そうなんですよね。ほとんど誰からも見られず、陸からも辿り着けないところで、しかもカヌーも滅多に通らないというのが最高なんですよね。
秘境野営地が消えたのは寂しく悲しいですね。凄くお察しいたします。