2025 5th 多摩川 御岳・杣の小橋 → 釜の淵・柳淵橋(11.0km)
晴(青梅 max 29.0℃) 水位:調布橋:-2.80 ~ -2.78
※調布橋水位は、2019年の台風19号の影響で、以前より40~50cm低い値を示します。
多摩川は果てしなく心地良すぎ
行くしかない
ソロで川に行く時は、割と家を出るまでちょっとメンドイ。行くべきか行かざるべきかの葛藤があります。
久しぶりで猛暑日のドビーカンなら、なんのためらいもないのですが、その日を逃すと当分いけないけど天気がイマイチの時とか、天気は凄くいいけど行ったばかりの時とか、迷いが生じます。
それでこの日は、3日程前から最高レベルの予報が出ていて、それは前日の午後になっても不動の地位が揺るぎません。
MAGIの三賢人、tenki.jp、ウェザーニューズ、yahoo天気(ウェザーマップ)のいずれもが最高レベルの予報を叩き出し続けています。
さらにyahoo天気の3時間毎の予報も、雲マークの混じりけのないサニーサニーオンリー。太陽だけが並んでいるのです。
( ※yahoo天気は最小単位の予報も、「太陽のみ、太陽+薄い雲、太陽+濃い雲、雲のみ」があります。tenki.jp、ウェザーニューズの最小単位は太陽か雲だけ(たぶん)。 )
更に火曜に降った雨のおかげで、調布橋水位は-2.78。
僅かな上昇ではありますが、-2.80より高い水位を漕ぐのは今シーズン初めてです。
気温の予報も28℃。
これはもう行かない訳にはいかないというか、行かざるを得ない。行くしかないではないですか。
こんな日を見送ってしまっては、川の神様がこの先もチャンスをくれるか分かりません。
しかも、予報は夜まで晴れマークが並んでいます。
こうなると、帰り道にハートランドビールを買って、そうすると肴は小茄子の浅漬けあたりでしょうか。
風呂上りに、縁台で蚊取線香を焚いて過ごす、蕩けるひと時が脳内に描かれます。
いやいや、そんなに自分にご褒美していいような肯定的要素が最近あっただろうか?
三つ岩 攻略戦 ~奴らにはこのフネでは勝てない~
テンション高めなものですから、7時に家を出ます。
釜の淵公園大柳駐車場に着いたのが7:52。
前々回の反省を基にバスも電車も発車時刻を調べてあります。
この時間なら8:37の電車も余裕です。
バスは8:23。ちょっと早すぎなのでまたしても歩くことにしました。
しかし、あの急坂をBanditを背負って登るのは、後2~3年が限度かも知れない。
車2台の時は問題ないですが、そろそろきつくなってきます。
電車は割と空いていました。
御嶽駅着は8:57。
いつものように、御岳橋の上から三つ岩を眺めます。
調布橋水位は9:00が-2.79。、前回より4cm高いですが、上から見る限り大丈夫そう。
いよいよ三つ岩の1つめゲットなるか?!
天気は最高。
水温は11.9℃。
余りにも冷たい。完全にバイカル湖です。
ちょっと三つ岩を果敢に狙うのに躊躇する水温です。慎重にならざるを得ません。
スタートは9:49。
まずは消防の瀬に突入。
水しぶきを浴びて「ピョエー」
ちょっと冷たすぎ!もはや北極海と言っても過言ではないレベル。
しかもこの日は天気がいいですから、ウエアは、上:ユニクロのドライTシャツ×2、下:ユニクロの化繊の短パンという猛暑日用標準装備。
2枚の化繊のTシャツを突き抜けた冷水が容赦なく皮膚に刺さります。
一応、パドジャケとラッシュガード地のロングパンツをドライバッグに入れてはありますが、今日みたいな日は全身で自然を感じたい。
冷たいだろうと予想はしていましたが、敢えて着なかったのです。
もし沈したら、脆弱な装備のまま、大岩の先か、下手したら玉堂の瀬まで流されてしまいます。
せまる三つ岩。
今回も左岸ルートからアプローチ。
しかし、調布橋水位4cmの差は想像した以上に大きかった。
あっさり流され、更にプランBも発動できず、2つ目も呆然と見送ることに。
◆敗因
1)漕がずに接近するのはダメかも。勢いをつけて接近しないと。→ 怖すぎ!
2)エディが見えてから接近するのではダメ。角にぶつけるくらいでないと。→ 怖すぎ!
3)奥まで突っ込まないと。→ それ以前の問題
やはり、調布橋-2.80以上では、理論上不可能なのか?!
「やつらにはこのフネでは勝てない.....」
清々しく輝く多摩川
前回と僅か4cmの差ではありますが、快適に下ります。
水温が氷点下な事を除けば気持ちいい事この上ない。
空も青くて清々しい。空は晴れていればそれでいいというものではありません。
青くて、雲とのコントラストのある空でないと。
そして、今日の空は青い。ピュアストロングクリアブルー。
今日は久しぶりに、軍畑大橋の先の中州に上陸してみました。なんか川原というより、もはやすっかり陸地になっていました。右岸側にほんのささやかな水路があるだけ。右岸側を下っていた時期もあったのに。驕れる平家は久しからず。
先へ進みます。
喜久松苑の川原は誰もいません。
三本堤の1本目は中央を突破。
テニスコートはラフト業者さんらしきハイエースが1台止まっているだけ。
閑散とした多摩川。
水は前回より明らかに綺麗です。4cm分しか水量は変わらないのに。。。
でも、結構キレイとは思うけど、カメラを水面下に突っ込んで撮ってみると、ぜんぜん澄んではいません。
さて、ランチはどこにしよう。
ここ数年(?)、葦が隆盛を極めていて、いい感じの川原が激減しています。
とりあえず、いつもの神代橋の見える手前の右岸かなと思っていたら、BBQの先客がいたので、とりあえず先へ進んで、和田橋の先の右岸へ。
ちょっと行程的に下流すぎるきらいはありますが、結構いい場所です。
コーヒーを淹れて、おにぎりを食べて、川原の石ころの上に寝転がります。なんか日が高くなるにつれ気温も上がって石が熱くなっているのが嬉しい。
人工物は見えず、ライフジャケットを枕に眼を閉じると、鳥の鳴き声と、風で木の枝や葉が揺れるサワサワという音、そして少し下流の瀬音だけが聴こえてきます。
気持ち良すぎ。
37兆個の細胞の全てのミトコンドリアに沈殿した邪な情念が、原子レベルで分解され蒸散していくのが分かります。
聞き耳を立てると、鳥の鳴き声はどうやら5、6種類くらい。ウグイスとホトトギス以外は聞いたことあるけど名前を知らない鳥たち。
まったりゆったり蕩ける時間が流れていきます。
まあ、本当の事を言うと、時折、横田の飛行機の音とか、救急車のサイレンとか、どこからか重機の音とかも少し聴こえてきたりしますが、メインは鳥のさえずりと風に吹かれる枝葉の音と瀬音です。
まったりのんびり過ごして1時間半。寝ている時間もあったけど、目の前の川を通り過ぎる艇はありませんでした。
こんなに気持ちいいのに、なんで誰も居ないんだろう。
何時間でもいられそうですが、そろそろ出発です。
水温を測ってみると14℃。
まだまだ冷たい田沢湖レベル。
後半の部スタートは12:56。
ここからゴールまでは約3km。あと少しです。
畑中第二中継ポンプ場の広い川原には、犬を連れたお姉さんが川辺で佇んでいたりしていい感じ。
13:23 釜の淵・柳淵橋にゴール。
気持ちヨカッター。
駐車場に行くと、割とご年配のご夫婦がお揃いのGRIFFON RAFTを2艇片付けているところでした。
こんにちはと声を掛けると、『気持ちよさそうにお昼寝されてましたねー』
おおっ、誰もいないと思ったけど、気付かなかっただけだったのかー。
さらに暫くすると、別の2人組が下って来て柳淵橋下でゴール。
こちらはFRONTIER。
なんだ、みんな来てるんじゃないか。
そりゃ今日みたいな日に自分一人だけの筈がない。
という事で最高に気持ちいい3時間半のダウンリバーでありました。
川の神様と多摩川の神様にそれぞれお礼を言って帰路につきます。
釣師の状況
たぶん6人くらい。(かなり適当)
放水口に1人、御岳橋までに3人。沢井までに1人。(かなり怪しい)
珍しく、神代橋-和田橋間(たぶん)にお一人いらっしゃいました。
以上、たぶん。
漕いだその後
羽村取水堰 ~御岳帝国最外縁部~
釜の淵を出たのが14:03。
まだ早いのでちょいと久々に羽村堰を偵察です。
まずは駐車場を確認。
土手道には車止めがしてあって、河川敷の駐車場には停められません。
もしかして週末はオープンされるのだろうか?
少し離れたところ(堰の少し上流)に無料の駐車場があって、キャパは7~8台。
この姿、日本史の資料集だったか、地理の資料集だったか思い出します。
羽村取水堰。
それは、放水口から延々19km続いた御岳帝国の最外縁部。
釜の淵までが御岳帝国の直轄領。帝国の支配が十分行き届いた安寧の土地。
多くの釣り人やパドラーが気持ちよく譲り合う世界。
一方、釜の淵には末端衝撃波面があり、そこを過ぎると帝国の属領です。
もちろん御岳帝国の勢力圏ですが、ここから先は直轄領内と同じ様には行きません。
パドラーに向けられる釣り人の視線には厳しい成分が含まれ始めます。そして、河辺は帝国の版図の境界。河辺こそ帝国のヘリオポーズなのです。
それでも、羽村堰までは微かに帝国の権威の及ぶ地域。万里の長城のもはや外側ではありますが、長城を守る守備隊の射程圏内。
そして、羽村堰より下流は、パドラーにとっては完全に別の川。
かろうじて残っていた帝国の権威の残滓もこの堰より下流では全く通用しない。御岳帝国のパスポートは紙切れ同然となるのです。
パドラーが安易に踏み出してはいけない世界がそこには広がっています。
そして、羽村取水堰は「玉川上水」の起点でもあります。
ここをスタートして、四谷まで続く42.7kmの玉川上水。
みんなで一緒に歩いて行けるものだと勘違いして過ごした、あの小径の脇を流れていたのがこの玉川上水です。
無事に帰って、一杯やるまでがダウンリバー
さて、羽村堰に寄ったことで想定外の事態が起こります。
もともとは帰り道にやまやに寄ってハートランドビールを買おうと思っていたのに、羽村堰に寄ったことで、最短帰宅ルート上に酒屋もスーパーもない事態に陥ったのです。
今日みたいな日は、せめて瓶のビールが飲みたかったのですが、最寄りのスーパーには缶のみ。
さらに小茄子の浅漬けも売っていませんでした。
まさに痛恨の極み。せめてもと缶のオリオンビールを買います。
それでも、ウェアを洗って、17時には膝がヒリヒリするのに悶えながら風呂に入って、酢の物を作って17時半には縁台タイム。
木曜日は本来休肝日。例外発動にしてもヨカッタんですが、頑張って水曜と交換。月火水3日休肝という万全の態勢で臨んだこの日の夕方。我ながら偉すぎる。
無事に帰って、一杯やるまでがダウンリバー。
気持ち良すぎ過ぎる夕方の空気感。
最高のハッピータイムを過ごしたのでありました。
Data
■河川 :多摩川
■コース:御岳・杣の小橋 → 釜の淵・柳淵橋 ( 11km )
■用艇:NRS Bandit1
■メンバー:ソロ
■天気:晴れ。
■釣師:6人くらい
■水位:低め
水分水質データベースによると調布橋水位は、-2.80 ~ -2.78。
※調布橋水位は、2019年の台風19号以降、以前よりも水位が低めに出ています。
40~50cmくらいプラスしてお考え下さい。
■水質:普通
■水温:11.9℃( 9:31杣の小橋手前左岸)、14℃( 12:53和田橋下流右岸 )
■気温(青梅):気象庁によると青梅の最高気温:29.0℃。
■スタート地点駐車場:-
■ゴ ー ル地点駐車場:釜の淵公園大柳駐車場(700円)
■タクシー:-
■電車:青梅(8:37)→御嶽(178円)
■バス:-
■昼食:おにぎりとコーヒー。
■服装:上:化繊のTシャツ2枚、下:ラッシュガード地のロングパンツ+化繊の短パン。(パドジャケ、ラッシュガード地のロングパンツ携行)
7:01 出発
7:51 釜の淵公園大柳駐車場着
8:08 駐車場発
8:27 青梅駅着
8:37 青梅駅発
8:57 御嶽駅着
9:14 スタート地点着
9:49 (0:00 - 0.0Km) スタート(杣の小橋)
-:-- (-:-- - 0.5Km) 御岳橋
-:-- (-:-- - 0.6Km) 御岳小橋
10:04 (0:15 - 1.4Km) 鵜の瀬橋
10:11 (0:22 - 1.9Km) 楓橋
10:29 (0:40 - 3.1Km) 軍畑大橋
(中州上陸)
10:38 (0:49 - 3.8km) 喜久松苑
10:45 (0:55 - 4.5Km) 奥多摩橋
10:49 (1:00 - 4.9km) テニスコート
10:57 (1:08 - 5.7Km) 好文橋
11:09 (1:20 - 6.9Km) 神代橋
11:19 (1:30 - 7.9Km) 和田橋
ランチ 神代橋手前右岸( 11:22 - 12:56 [94分] )
13:13 (3:24 -10.2Km) 万年橋
13:21 (3:32 -11.0Km) 柳淵橋・ゴール
14:03 釜の淵公園大柳駐車場出発
※距離はキョリ測にて測定しました。時間は写真のタイムスタンプなどから適当に調整。
★2020年度より、距離を修正しました。
修正履歴:
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