2022 15th
7年ぶりの川でグダグタな川下り

www.kaifugun-yamakawacho.net/

2022.10.04( Tue ) 秋川 橘橋 → 落合橋 ( 5.7km )
晴れ(青梅 max 30.4℃) 水位:秋留橋:1.76、東秋留橋:-0.52



久々に秋川を下って来ました。

クリーク系の川は5年ぶり。勘も戻らずグダグダでヘロヘロで泣きたくなりましたが、素晴らしく水が綺麗でありました。

そして、アドレナリン最大展開!!

index

  1. 危険情報
  2. 漕ぐまでのこと(どうでもいい長い文章)
  3. ダウンリバーレポート
  4. 秋留橋、東秋留橋水位計について
  5. 本日の縁側ディナー
  6. Video
  7. データ

危険情報

まず、危険についての情報共有です。
中山の滝の弐の滝のすぐ先に、川幅いっぱいのログがあります。
今回は、滝を過ぎて直ぐに左岸に寄せて上陸し(この日は小さな川原があった)、自分はログを跨いで、艇はログの下を通して通過しました。

弐の滝を過ぎたら直ちに左岸に寄せる必要がありますが、流量によっては間に合わない事も十分あり得ると思います。
また、今回はログの30cm程下に水面がありましたが、水位によっては変わります。

くれぐれもご注意ください。

弐の滝の先ログ

弐の滝の先ログ

ログ乗り越え中


本文中にも、別アングルの写真あります。



漕ぐまでのどうでもいい長い文章)

どこを漕ぐか? から始まる

秋川は7年ぶり3回目。

橘橋~小和田グラウンドが既漕区間です。

はじめの内は、スタートは橘橋よりも上流にしようとか、ゴールは五日市駅にしようとか、未漕区間を延ばそうと企んでいたのですが、私はどちらかというと、よろずこの世のメンヘラ属性を総まくりにしたような人間ですから、車窓から水位が低いのを見るにつけ、歩きそうだなとテンションが下がります。( ただ、過去2回よりは水位は高い )

そして、何より釣竿を見るとメンタルが削られるのです。

だいたい、釣竿1本につき、なんと100ポイントもモチベーションが低下します。

容量は全部で1000ポイントですから、10本見てしまうとダウンリバー不能となるのです。
明るく釣り人に挨拶して、爽やかに竿を上げてもらえる人が羨ましい。。。

釣り師発見(十里木に向かう途中。左岸から)


左岸沿いの細い道を十里木に向かっている途中でまず1本。

更に、十里木駐車場で、準備をしている釣り師1名を確認。

ここまででマイナス200ポイント。

その後も川相を点検しつつ上流へ。

橘橋到達後は、まず数馬方面に車を走らせた後、直ぐに引き返して今度は北秋川沿いに俎上して「やすらぎの里」へ。

ここで車を降りて、「とうげん橋」から川を見下ろしてみますと、いきなり岩々した光景が眼前に、、。

とうげん橋より下流方向

とうげん橋より下流方向


無理! いやいや無理でしょ。

まあ、まったく不可能なレベルではありませんが、初手からこれはちょっときつい。

さらに、橋の右岸・下流側の付け根に川に降りる道があったので途中まで行ってみましたが、結構歩くし、めんどそう。

とうげん橋西詰から川へ降りてみる

とうげん橋西詰から川へ降りてみる


対岸に、犬を連れた散策中の人達がいたから、左岸のどこかに、割とスムースに降りられるルートがあることが想像できます。

また、橋から見た岩々したところより下からのスタートが可能な様です。

若干モチベーションを下げつつも、まあそういう事なら、藤倉行きのバスが来たなら考えてみようかということになりました。

西東京バスは、橘橋から左に折れる数馬行きと右に折れる藤倉行があるのです。

時計を見ると11時近く。

だいぶ時間が過ぎました。そろそろゴール地点に向かわなければならない時間です。

取敢えず十里木まで戻って考えましょう。

せっかくなら五日市駅まで下ってみたい。

そして、なにより10年前にボコボコにされた「山水の瀬」(落合橋の少し先。山水荘の手前。ヤバめの瀬)でリベンジを果たしたい。

何度か艇を降りるかもしれませんが、五日市駅まで行くことは出来るでしょう!

人生を楽しく生きるには、前向きな考えと挑戦が必要です!

しかし、考えてみるともういい時間。

五日市駅まで下ると、ゴールは16時近くになりそうです。

そうなると、縁側でいい感じにビールが飲めなくなってしまいます。(発泡酒だけど)

グダグダとテンションを下げていたら、準備中の釣り人2名を発見(もしかしたら撤収中かも)。

マイナス200ポイント。

残り600ポイントです。まだダウンリバーは可能ですがだいぶメンタルを削られてしまいました。

踏みとどまるのも勇気です。

人類の歴史の中で、その勇気がないためにどれほど多くの冒険家や登山家が命を落としたことか!

いやいや冒険家だけにとどまらず、ナポレオンしかり、項羽しかり、明智光秀しかりです。

こうしてゴールは落合橋(十里木ランドのすぐ先)に決定されました。


艇を背負ってバス停に向かっていると、落合橋の"下流"に竿を発見します。

やはり私の判断は正しかった。


しかし、釣り人を脇に置いておいたとしても、結果的に落合橋をゴールとしたことは正解でした。

この後、5年ぶりのクリークで、グダグダのヘロヘロになります。

2度の沈による消耗、難しい落ち込みに挑む精神的ストレス。

落合橋に辿り着いた時には体力も気力も、殆ど残っていませんでした。

そんな状態で「山水の瀬」に挑むのはとてもリスキーだし、そこをクリアしても、『疲労沈(※)』を連発したことでしょう。

(※疲労沈:疲れて集中力を失くしたり、踏ん張りがきかなくなって大したと事ないところで沈する事 )

そして、やって来たバスは数馬行き。

これでスタート地点は橘橋に決まりました。

何てことはない、5年前と同じコースです。


ダウンリバーレポート


11:57、本宿役場前下車。なんとバス賃326円。高い!

橘橋の手前・左の階段を降りると、直ぐに川に到着します。

透明な世界

橘橋東詰(ここから降りる)

橘橋を見上げる


そこには7年前と同様の透明な世界がありました。

ほんの少しだけ潜ってみます。

水量豊富で流れがかなり速い。

そして水温13℃。さすがに耐えられず早々に浮上。

橘橋の水中


スタートは12:30。

twitterを開いて、『南秋川なう。』とツイートして漕ぎ出します。

いやいや本当に水が綺麗。

「はぁぁぁ」とか「ひゃぁぁぁ」とか「ふぁぁぁ」とか、溜息が次々に。まるで温泉に入ったみたい。

素晴らしく清らかで透明な水の世界。

中山の滝までは取り立ててヤバイところはないので、ぶんにょりと癒されながら下ります。

スタート直後。橘橋

左:南秋川、右:北秋川

いい感じの渓谷

和田橋の少し上流

和田橋の少し上流


しばらくは癒されつつ平和に漕いでおりました。

しかし、川岸で寛ぐ若者のグループに挨拶して数十秒後。

弛緩し切って、後ろ向きに景色を楽しんでいたら岩に引っ掛かってあっさり沈。

ヤバい。さっきの連中に見られたかと焦りましたがぎりぎりセーフでした。

こんなところで沈するとはどうしたことかと思ったのですが、そういえば秋川の神様にまだ挨拶してなかったことに気づきます。

挨拶が遅れたお詫びとともに、「どうか無事にお通し下さい」と、秋川の神様にお願いします。


この後も、沈こそしないものの、小岩に引っ掛かったり乗り上げたり。

前回より、だいぶ水量はあるのですが、それでも場所によっては石がゴロゴロしています。

身体にも全然キレがありません。

中山の滝までに気合を入れ直さないとヤバい!



そして中山の滝に到着。

まずは左岸に上陸し、大岩の脇を乗り越えて壱の滝と弍の滝をスカウティング。

中山の滝

中山の滝 壱の滝

中山の滝 弐の滝


壱の滝は下流側から見るだけで落ち込み前の状況は分かりませんが、取り敢えずログなどは見当たりません。


ついで弍の滝ですが、こちらはちょっと難易度高めです。

滝は2段になっていて、1段目は真ん中に岩があります。

検討の結果、右岸沿いのコースを取ることにします。

右岸側の1段目を通ったのち、艇の向きを右に変えて2段目に突入。

ざっくりこんな感じでルートを組み立てたのですが、成功するイメージが全く描けません。

仕方ないので「まあ大体そんな感じで」と検討終了。

経験上、それなりのレベルのところで『大体そんな感じで』という曖昧なルート構築をした場合はたいてい撃沈です。

たとえ結果的にイメージ通りにならないとしても、少なくとももう一段緻密なイメージを描いておかないといけません。

端からファジーなイメージで臨んではうまく行かないのです。

そして、クリークや激流では、神経を研ぎ澄まし、筋肉をエネルギーで満たしつつ、力を抜き、そして無我の境地で落ち込みやウェーブに臨まないとうまく行きません。

多少の不安を残しつつ、GO。

ヘルメットのアクションカムのスイッチを入れて漕ぎ出します。

中山の滝 壱の滝へ接近


壱の滝は、左岸側の大岩の先にあります。滝の状況は岩が陰になって分かりません。

まずは流れの緩い右岸寄りを近づいて観察しますが、水量があるため中洲もなく、右岸側に上陸可能なところもありません。

まあ、なんとかなるでしょうと、艇を左岸に寄せてゆっくり進みます。

滝の直前で艇を左90度回頭。

勢いよく飛び出したいところですが、全然キビキビした動作にならず、勢いゼロで滝を落下。

スターンを喰われそうになりましたがなんとか耐えてクリア。



次に弍の滝。

予定通り、右コースに進入しようとしたのですが、なんと手前で岩に引っ掛かって、あろうことか沈。

そのまま第1段を流される事態に。

なんとか、2段目の手前で右岸に這い上がるものの、水の勢いが強くて艇が流されそうになります。

必死でベルトを掴み、何とか流失を食い止めましたが、ちょっと困ったことになりました。

しかし、ここまで来てしまった以上、もはや対策前進で行くしかありません。

弐の滝・苦戦中の図

さてどうしようと思いつつも、さっきはいい動画が撮れたに違いないとアクションカムを確認したらなんと電源オフになっています。orz

壱の滝に向かう前にオンにしたのに。

絶望しつつ電源を入れてみると、『recover』の表示が。。。

沈の衝撃でエラーになったのか?!

( 帰宅後、リカバリソフトを試してみたのですが、壱ノ滝の手前で動画は終わっておりました。)


さらに、2段目の先に、川幅いっぱいのログが目に入ります。

弐の滝2段目とログ

これはますます困ったことになりました。

幸い、ログの手前は瀞場気味なので、左岸に寄せれば何とかなりそうです。

しかし2段目をクリアできるのか?!

不安定な状況で再乗艇。

『所詮血塗られた道だ』とつぶやいて、漕ぎ出します。

まあ、グダグダで、全然アンダーコントロールではなかったのですが、結果オーライ的に2段目をなんとかクリアしました。

しかし、あまりのグダグダぶりに自己肯定感が下がります。

2段目突入

嘆く間もなく、頑張って漕いでログの直前で左岸に付けます。

自分はログを跨いで、艇は潜らせて次へ。

ログ

ログ乗り越え中

ログ潜り中

ゴルジュは続く


そして、参の滝へ向かいます。

右岸に上陸して、スカウティング。

ここは、弐の滝に比べればだいぶ素直です。

華麗には程遠いものの、なんとかアンダーコントロールでクリアー。

参の滝到着

参の滝から上流方向

参の滝

参の滝突入

参の滝突入

参の滝を振り返る


無事にクリアしたものの、残りの体力電池も心もとなくなって、これは十里木をゴールにして正解だったとホッとします。

中山の滝の後は、再びいい感じの渓谷が続きます。

10月で太陽が低いので、だいたいは日陰なのが惜しい。

繰り返しになりますが、それにしても、水がとても綺麗です。

なんというか、日が当たっているところは、サイダーの様な色合いで、もうそのまま宮沢賢治の『やまなし』の舞台になりそう。

乙津一号取水所

暫く漕いだ後、新矢柄橋をくぐると乙津一号取水所のバックウォーターへ。

乙津一号取水所は左岸の魚道の縁を担ぎます。足元が狭くてちょっと危ない。

しかし、堰堤の斜面や、落ちたところには鉄筋が出ているので、強行突破は厳禁です。

新矢柄橋と乙津一号取水所

乙津一号取水所(左側に魚道)

乙津一号取水所

乙津一号取水所

乙津一号取水所の魚道

乙津一号取水所

乙津一号取水所

乙津一号取水所の下

石舟の滝


乙津一号取水所を過ぎるとゴールはもうすぐです。

14時頃、石舟の滝に到着。

石舟の滝(ゴール後に石舟橋から撮影)

石舟橋


いよいよ最大の山場です。

ここはギャラリーが多数いますから、なんとしても沈は避けねばなりません。

上陸して慎重にルートを読みますがギャラリーの手前、あまり長考するのも恰好悪い。

適当なところで切り上げざるを得ません。

ここも2段構成になっていて、1段目は左右のコースがありますがチキンなので右ベタを選択。

ギャラリーの視線を背中に感じながら、艇に戻ります。

緊張が高まります。

しかし、死中に活を見出さねば越えられぬ滝もあります。アドレナリン、最大展開!

副腎髄質で生成されたアドレナリンがじゅわじゅわーって体内に満ちて行きます。

滝の入り口近くで遊んでいた親子が離れるのを見計らってスタート。

石舟の滝(1段目の後)


まずは1段目を通過。

それはもうグダグダ感がハンパない。

その後、なんとか向きだけ変えて2段目へ。勢いゼロ。

右岸に押し付けられ、思いっきり左サイドが喰われます。

もう、沈を覚悟するところまで傾いたのですが、奇跡的にというか2万パーセント偶然でクリア。

振り返ると岩の上のギャラリーが拍手して手を振ってくれています。

握ったこぶしを空高く突き上げて応えます。

ミナサン、アリガトウ。

ヨカッター。

石舟の滝

石舟の滝

石舟の滝

石舟の滝(拍手して下さるギャラリーの皆さん)


14:19、落合橋にゴール!


ということで、グダグダではありましたが、無事にゴール出来ました。

秋川の神様、川の神様、ありがとうございました。

ゴール。落合橋

釣師と虻のこと

さて、釣り人についても、言及しておく必要があるでしょう。

あれだけ気にしまくって、メンタルをすり減らしたにも関わらず、結局ダウンリバー中の遭遇はゼロでありました。

そして虻。

秋川と言えば何と言ってもしつこい「虻」が気になるところですが、流石に10月だからか、全く遭遇しませんでした。

おまけ。十里木駐車場のトイレ

十里木駐車場のトイレ

多目的トイレもあるので着替えも出来ます。



秋留橋、東秋留橋水位計について


今回、13時の水位は、
・秋留橋 :1.76
・東秋留橋:-0.52
でした。

秋留橋水位計は、いつからなのか分かりませんが前回(2015年:0.53)、前々回(2012年:0.61)と比べて水位がまるで異なっています。

水位計の設置状況が変わったのかも知れません。

また、
東京都 水防災総合情報システム
を見ると、

『※水位計の設置状況により、175cm以下の水位は観測できないため、値が変化いたしません。』

とあります。

平常時の水位の高低を確認することは出来なさそうです。


一方、東秋留橋水位は-0.52。

過去2回( 2015年:-0.79、2012年:-0.81)より値は30cm近く高いのですが、確かに水量は多いものの、それ程には感じませんでした。

何度も底を擦り、2度ほど艇を降りました。

とはいえ、秋留橋もそうですが、乙津取水所の堰堤に加え、五日市付近にも堰堤がいくつもあるので、参考程度に考えるべきでしょう。

本日の縁側ディナー


モーリタニア産真ダコ


そして、漕いだ後に欠かせないのがこの儀式。

アミューズブーシュはモーリタニア産の真ダコのブツ切り。

アペリティフはグリーンラベル。
もう、五臓六腑の隅々まで、37兆個の細胞のひとつひとつにジュワーっと染み込んでいったのでありました。

Video




Data


河川 : 秋川
コース: 橘橋 ~ 落合橋
メンバー:ソロ
用艇: NRSバンディットⅠ
天気: 晴れ時々曇り
釣師: 0人。

水位: 少ないけど無難なところかも。
  秋留橋水位は、1.76。
  ※秋留橋水位は、水分水質データベースで公開されていないので、過去分は閲覧できません。
  水分水質データベースによると東秋留橋水位は、13:00が -0.52。
水質: VeryGood!!
水温: 12:19 橘橋 13℃
気温: 気象庁によると青梅の最高気温30.4℃。

スタート地点駐車場: -
ゴ ー ル地点駐車場: 十里木駐車場(無料)

タクシー: 利用なし
電車: 利用なし
バス: 十里木⇒本宿役場前(326円)
昼食: なし
服装: ドライTシャツ×2、ネオプレーン1.5mmの長ズボン
旅程。2022.10.04
08:08 出発
11:43 十里木バス停発(時刻表による)
11:57 本宿役場前バス停着
11:59 橘橋下の川原着。
   12:30 ( 0:00 -  0.0Km) スタート
   --:-- ( -:-- -  0.5Km) 上日向橋
   --:-- ( -:-- -  0.9Km) 下日向橋
   --:-- ( -:-- -  1.6Km) 和田橋
   --:-- ( -:-- -  2.0Km) 中山の滝(壱の滝)
   --:-- ( -:-- -  3.5Km) 西青木平橋
   --:-- ( -:-- -  3.6Km) 青木平橋
   --:-- ( -:-- -  4.3Km) 乙津橋
   --:-- ( -:-- -  4.4Km) 新乙津橋
   --:-- ( -:-- -  4.6Km) 新矢柄橋
   *** 乙津一号取水所の堰堤 ***
   --:-- ( -:-- -  5.3Km) 石舟橋・十里木ランド狭窄部・着
   14:19 ( 1:49 -  5.7km) ゴール落合橋

※距離はキョリ測にて測定。
(2022.10.09 up)

修正履歴:
2022.10..10 動画を追加

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