その、なんというか、7月にラナ父さん、G君とみなかみに行って以来、なんとはなしに、御岳や長瀞に物足りなさを感じるようになりまして。 もちろん、それらの川を自在に漕げる様になった訳でもないし、相変わらずエディーキャッチさえ満足に出来ないわけですから、 物足りないなどというのは大変におこがましいことでありますが、まあ、少し刺激が欲しいというか。 それに、ずっと御岳と長瀞というのも新鮮味がないし、すごいところでなくても、たまには違う川を漕いで見たいと、新たな川を物色しておりました。 しかし、遠方に行くのもやや面倒だし、週末千円高速がなくなったので、富士川あたりでも、往復するといい金額取られます。 そこで、思いついたのが、奥多摩エリアでありました。 最近、人気が出ている「丹波川(たばがわ)」か「惣岳渓谷」が候補です。 前者は、奥多摩湖より上流部分の多摩川をそう呼びます。 道の駅「たばやま」より下がロアー区間と呼ばれ、最近人気がでているようです。 いろんな方のブログにもレポートが上がっています。 一方、「惣岳渓谷」は、奥多摩湖の直下。小河内ダム下から始まる渓谷です。 前者、後者ともに、極めて詳細なレポートがネット上にあります。 100本以上の川を下っているラナ父さんの「わんことカヌー」です。( 複数のサイトがあるので、記事の最後にURLをまとめて 記載しました。 ) レポートも克明ですし、動画も充実。さらに、Google mapに落とされた川地図も実に精緻です。 本来なら、「わんことカヌー」をじっくり読んでからにするべきでしたが、思い立ったが吉日で、10月最初の土曜日に、下見に出かけました。 下見の内容は、別の機会にレポートしたいと思いますが、結局、難易度の高い「丹波川アッパーセクション」ばかり下見しておりまして、ロアーは素通りしていたのでありました。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ さて、翌週です。三連休の初日は、ネットで入念に情報収集を行いました。 「丹波川」のロアーにするか「惣岳渓谷」にするか。 今回は、ソロなので、一人で行って、一人で下って、一人で帰ってこなければなりません。 どちらもかなり難度が高そうで、自分的に過去最高レベルなのは明らかですが、「わんことカヌー」のレポートからは、印象として「丹波川」のロアーの方が難易度が低そうに思えます。 また、丹波川ロアーは多くのブログにレポートがあるのに対して、惣岳渓谷のレポートは「わんことカヌー」以外、見当たりません。 とりあえず、「丹波川」を目指すことにいたしましょう。 ソロなので、回送にはバスを使います。 ネットでバスの時刻を調べると、なんと一日に4本しかありません。 ゴールのバス停「お祭」からの「丹波」行きは、10:08が最初です。 これを逃すと、次は13:43なので、日の短くなったこの時期、現実的ではありません。 つまり、10:08のバスに乗る以外選択肢はないということです。 通常なら、スタート地点に車を置いて、帰りにバスを使うという手もありますが、初めての川で所要時間が読めませんし、1日4本ではあまりにリスキーです。 ちなみに、13:43の次は、15:48、17:53です。(以上いずれも「日祝ダイヤ」) やはり、ゴールに車を置いて、10:08のバスでスタート地点に移動するより選択肢はなさそうです。 一方、「惣岳渓谷」になってくると、交通の便は格段によくなって一時間に1〜2本のバスがあります。 先ずは、「丹波川」を目指して、バスに乗れないなどのアクシデントがあれば「惣岳渓谷」に変更するという計画を立てました。 果たして、「丹波川」を選んだのは大正解でした。 ダム下の「惣岳渓谷」は、先日の台風の影響で、まだまだ濁っています。 一方、「丹波川」はまさに清冽な流れそのものでした。 日曜の朝、7:30頃に家を出て、ゴール地点の「お祭」についたのは9時過ぎでした。バスの時間まで、一時間あまりあります。 国道をプラプラ歩いて入川道を探します。 谷を見下ろすと釣り橋が見えるので、どこかに道があるはずです。 程なくして、バス停の少し上流、ガードレールの切れ目に小道を発見しました。 結構急なので、艇を担いで上るのは大変そうです。 ![]() ![]() ![]() ![]() 3分くらい歩るくと、つり橋にでました。 水が澄みきって空気がうまい。 しばし、川原に寝そべって空を眺めて過ごします。石ころで背中が痛い。 ![]() 木の根っこを階段ぽく上ると、つり橋の袂に出ます。 さて、バス停(「お祭」)は、「雲取お祭り山荘」の前にあります。 ![]() ![]() この通り、日に4本しかありません。 ( 最新の時刻表は、西東京バスのwebサイトでご確認ください。 ) バスを待っていると、車が一台私の前に止まりました。 「丹波まで行くの? 乗って行きなよ。」 窓を開けて顔を出したのは一人のオジサンでした。 これからちょっと山登りに行くそうです。 「もう直ぐバスが来ますから」と、遠慮したんですが、 「いいから、いいから」とおっしゃるのでお言葉に甘えることにしました。 世間話しながら、道の駅たばやままで送っていただきました。ありがとうございました。 ![]() ![]() 10:20頃、道の駅たばやまに到着です。川を見渡すと、くわーっと、緊張が高まってきます。 水温12℃。 この日は、フルドライです。 長いこと流されたり、万一、行動不能になったときの体温維持を考えました。 しかし、なにもないとしても、この選択は正解でした。 殆どの区間は深い渓谷の底にあるため、天気はいいのに、日が当たりません。寒くはないですが、決して暑くはありません。 ![]() 「ふれあいの橋」の上からは観光客が何人も手を振ってくれます。 こういうのすごく好きなんですが、見られている範囲での沈は厳禁なので肩に力がはいります。 川の神様に、無事に通してくれるようお願いして、漕ぎ出します。 ![]() ![]() スタートして暫くは、穏やかな流れで、キャンプ場がふたつあります。 ( 写真 [左]: 押垣外橋(おしがいとばし) [右]: 東キャンプ場のつり橋(名称不明) ) ![]() ![]() 東キャンプ場で最初のスカウティングをします。 ![]() ![]() 前方はおそらく、「甲武橋」 ![]() ![]() ![]() 左カーブのところで、右岸に上陸して2度目のスカウティング。ここは問題なくクリア。 ![]() ![]() さらに進むと、右カーブの先に、洞窟の様な狭窄部が現れました。 おおっ、ネットで何度も見た場所です。 先達のレポートによって、この先は滝でもなく、洞窟でもなく、漕いでいけるということはわかってはいますが、先の見えない光景に、やはり緊張が高まります。 (↑:艇カメラ映像) なんとか無事にクリアです。 ![]() 砂というよりは、金箔を砕いたような極めて微小なものですが、果たして金なのでしょうか。 ![]() 保之瀬橋でしょう。 ![]() ![]() ![]() 保之瀬の集落です。 ( 写真:左上:右岸、右上:下保之瀬橋 下左:下保之瀬橋をくぐった先の左岸。 ) 保之瀬の集落を過ぎてから、数分間は快適な瀬が時折現れ、スカウティングもなく進みます。 しかし、長くは続きません。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 保之瀬の集落を過ぎて10分ほどすると、川幅は再び狭くなります。 何度も瀬が現れ、何度もスカウティング。だんだん疲れてきます。 ![]() ![]() そうして何度かスカウティングをしつつ、いくつかの瀬を越えたところで、その瀬は現れました。 左岸に上陸して、じっくり見ます。 まず、始めに落差1m半くらいでしょうか? 落ち込みがあります。 ( 右上写真の中央部の少し上が、その落ち込みです。 ) この落ち込みは、落差こそあるものの、落ちた直ぐが少し広くなっていて、それ程難しくはなさそうです。 ![]() ![]() これが最初の落ち込みです。( 右写真は下流から。) ![]() 先ずは、落ち込みを落ちます。どんどんアドレナリンが出てきます。 落ちた後は、直ぐに右岸につけてスカウティングです。 長い瀬が続いています。 (←:艇カメラ映像) なんとか、沈せずに漕ぎぬけたと思ったその瞬間、瀬の最後の岩壁に当たってあえなく沈。 この日一回目です。 振り返って写真を撮ろうとした時だったような気もしますが記憶が定かではありません。 瀬は終わっていたので、問題ありませんでした。 しかし、あんまりのんびり流されるとえらい事になります。なぜなら・・・。 そう、ついに核心部がやって来ました。ネットの動画で何度もみた箇所です。 ![]() ![]() まず、始めに落ち込みがあります。 右写真の@を落ちます。Aの方が間口が広いですが、落ちたところに複雑な岩が出ていて危険です。 @をとんでBに落ちた後は、正面に岩が立ちはだかっているので、左岸よりのCを通ります。 このコース取りはネットでも紹介され、動画もアップされています。 @は狭いので、事前に情報を得ていなかったら、果たしてこのコースを選択できたかどうか・・・。 左岸からスカウティングした後は、右岸に渡って、更に様子をみて、そして突入しました。 なんとか無事に@からBに落ちたのですが、Cのところで左岸の岩に当たって、後ろ向きになりながらも、何とか無事にこの瀬をクリアすることが出来ました。 (← 艇カメラ映像) 気が緩んで、二つ先の大したことない瀬で沈。 この瀬のあとも、スカウティングする瀬はありますが、格段にやさしくなります。 ![]() ![]() しばらくすると、川幅は広がってきます。水位観測所でしょうか? わんことカヌーによるとこのあたりに堰堤があるはずですが、水位が高いせいでしょうか。確認できませんでした。 ![]() ![]() 橋をくぐって、左カーブを曲がったところで左岸に上陸しました。 少し下流でルアーロッドを振っている男性がいましたが、釣り人を見たのは初めてだったかも。 ゴールは14:10。 スタートしてちょうど3時間です。 くたくたに疲れながらも、からだに達成感が満ちていき、ひとりガッツポーズ。 最高のダウンリバーでありました。 さて、この日に撮った動画を編集してみると、漕いでいたのは約52分間でした。 2時間あまり、スカウティングに費やしたことになります。 既に先達が通って、記録を残しているとはいえ、初めての川を、事前に調べて、本番でもしっかりとスカウティングしながら下るというのも、川くだりの醍醐味だと改めて感じました。 今回撮った動画と静止画は、約4.5GBになります。艇に固定したカメラは、途中でバッテリやSDカードを交換しながら、全行程を動画で記録しました。 長時間にはなりますが、これをUPしたいと思います。 次に、初めて漕がれる方の参考になればと思います。 現在、youtubeと格闘中なので、今暫くお待ちください。 さて、この日、漕いだ後は「のめこい湯」に入ろうと決めておりました。 のんびりと温泉につかり、疲れをいやしつつ、達成感の余韻を楽しむはずでした。 上流に向かって車を走らせると、なんと、国道から道の駅たばやまに降りる道が渋滞になっています。 しかたなく温泉は断念し、前から行ってみたかった東青梅のカレーうどんに目標を変更しました。 途中、むかし道から「惣岳渓谷」の下見をします。 そうこうしているうちに、青梅街道が混み始め、ついにはカレーうどんも断念し、軍畑大橋から飯能方面に左折したのでありました。 ■参考サイト わんことカヌー〜2008年度川くだりレポート〜 ・丹波川アッパーセクション、惣岳渓谷のレポート。 わんことカヌー〜2009年度川くだりレポート〜 ・丹波川ロアーセクションのレポート。 多摩川 〜端から橋まで〜 ------------------------------------------------------------------------------ やっとの事で、全行程&スカウティング動画をUPしました。 あわせて一時間になりますので、よっぽど暇な方のみどうぞ。 (2011/10/23) ------------------------------------------------------------------------------ ==data===== ■河川:丹波川( 多摩川 ) ■コース:道の駅 たばやま 〜 お祭り ■メンバー:ソロ ■用艇:NRS バンディットT ■天気:晴れ。 ■釣師:ゼロだったような・・・。 ■水位:いいかんじ。 川の防災情報に、丹波山観測所がありますが、故障しているのか、ずっと-0.60を示しています。 また、水分水質データベースには、「丹波山」は掲載されていません。 ■水質:超きれい。 ■水温:11:05の道の駅たばやまの川原が約12.0℃。 ■気温:気象庁によると12:00の小河内の気温は17.5℃。最高気温:18.5℃。 ■スタート地点駐車場:道の駅たばやま。(無料) 乗せてもらった車回送なので駐車せず。 ■ゴ ー ル地点駐車場:お祭バス停より少し上流の路上というか、少し道を広げてあるところ。※着替えはここ。 ■タクシー:利用なし ■バス・電車:利用なし ■昼食:なし。 ■服装:フルドライ。 ■旅程。2011.09.10 7:30頃 出発 9:05頃 お祭り着。(家から53.2km) 10:19頃 道の駅 たばやま着。 (カッコ内は経過時間) 11:10 ( 0:00 - 0.0Km) スタート・ふれあいの橋 11:13 ( 0:03 - .Km) 押垣外橋(おしがいとばし) --:-- ( -:-- - .Km) 東キャンプ場のつり橋(名称不明) 11:18 ( 0:08 - .Km) 丹波川水管橋(たばがわすいかんきょう) 11:21 ( 0:11 - .Km) 甲武橋(甲武キャンプ場のつり橋。) 11:30 ( 0:20 - .Km) 洞窟っぽい瀬 11:52 ( 0:42 - .Km) 保之瀬橋(ほうのせばし) 11:55 ( 0:45 - .Km) 下保之瀬橋(しもほうのせばし) 12:58 ( 1:48 - .Km) 落ち込みと長い瀬 13:31 ( 2:21 - .Km) 核心部 14:05 ( 2:55 - .Km) 観測所? 14:08 ( 2:58 - .Km) 親川橋 14:10 ( 3:00 - 5.3Km ?) ゴール・お祭りのつり橋 (2011.10.18 up) -- 修正履歴 -- 2011.10.23 全行程&スカウティング動画を追加。 |